神戸空港、悲願の国際化へ そもそもなぜ「国内線だけ」だったのか? 涙なしでは語れない理由があった

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2006年に開港した神戸空港で、2030年頃にも国際線の定期便を就航することが決まった。地元にとって悲願である国際化は、なぜ決定までに16年もの時間を要したのか。

「制限」付き 機能活用し切れないまま

伊丹空港は交通アクセスが良くて人気(画像:シカマアキ)
伊丹空港は交通アクセスが良くて人気(画像:シカマアキ)

 神戸空港は、開業前から地元関西で「伊丹と関西があるのに、さらに空港が必要なのか」と事あるごとに言われ続けてきた。空港建設を巡り、議会や市民からも反対運動が起き、訴訟にも発展したこともある。

そんな紆余(うよ)曲折をへて開港したものの、先に述べた「制限」が設けられたことで、路線も利用客もずっと“頭打ち”状況だ。

 本来なら24時間運用が可能な海上空港である。2019年の規制緩和までは今より厳しく、発着回数は1日60回(30往復)、運用時間は7時から22時までだった。

 発着便は需要が多い午前中と夕方以降に集中し、昼間のターミナルは離発着があまりないために人も飛行機も少なく、いろいろな意味で「もったいない」という感じだった。

 実はその制限は、「関西空港の経営を圧迫しないように」というのが主たる理由だ。

 関西空港の国内線は、航空旅客数が1995(平成7)年度は約800万人、2004年度には約420万人、神戸空港開港後の2011年度には370万人余りまで落ち込んだ。

 2012年にLCC(格安航空会社)のピーチ・アビエーションが就航し、2017年度に約700万人まで回復したものの、他の運航便はずっと苦戦が続く。

 伊丹・関西・神戸の3空港は現在、オリックスなどが出資する関西エアポートが一体運営する。伊丹空港は都市部にあって、これ以上の拡張は難しい。

 関西空港は現在まだ余裕があるものの、インバウンド回復と関西・大阪万博の開催により、今後に航空需要の増大が予想される。そのため「関西空港を補完する」という意味で、神戸空港の国際化が実現に向けて大きく前進した形となった。

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