T型フォード、実は「中古車の元祖」だった! 大衆車の代名詞が遺した偉大なる功績とは
労働者が購入できる大衆車の元祖といわれるT型フォード。このモデルはそれだけでなく、多数の中古車が全世界で流通するという大きな功績も残している。
労働者の収入で買えた大衆車の元祖
FORD model T、いわゆるT型フォード。
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アメリカを代表する自動車メーカー、フォード・モーター・カンパニーの最初のベストセラーモデルであると同時に、部品の標準化とオートメーションによる大量生産体制の確立によって、標準的な労働者の収入でも購入可能な大衆車の元祖というべき名車として、今にその名をとどめている存在である。
発売されたのは1908年の終わり。最初はそれなりに高価なモデルではあったものの、第1次世界大戦前の1914年には本格的なオートメーションによる量産体制が完成されたことで、その価格は次第に下がっていった。
その上でフォード自身が、自社の労働者をみずからの会社の顧客と捉え、その年間の賃金でモデルTが余裕を持って購入できるようにと高賃金を支払うようになったことで、その売り上げは爆発的に拡大していった。
さらに生産設備の減価償却を終えるとその価格はさらに下がり、発売当初は1000ドル近かった販売価格も毎年のように値下げが実施され、モデル末期には300ドル以下にまでなった。
1908年から最終年となった1927年までの総生産台数は、実に1500万台以上と言われており、1920年代以降になると多数の中古車が全世界で流通したという、中古車界の最初のベストセラーでもあった。