T型フォード、実は「中古車の元祖」だった! 大衆車の代名詞が遺した偉大なる功績とは

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労働者が購入できる大衆車の元祖といわれるT型フォード。このモデルはそれだけでなく、多数の中古車が全世界で流通するという大きな功績も残している。

米モータースポーツの醸成にも寄与

T型フォードのシャシーに木製のバスボディを架装したモデル(画像:守山進)
T型フォードのシャシーに木製のバスボディを架装したモデル(画像:守山進)

 実際、初期のダートトラックなどのレース現場では、T型フォードの解体シャシーやエンジンをベースに大改造したものがレースカーとして多用された。いわゆるジャロピーレーシング(ガラクタレーシング)というやつである。

 これら入門レース以外には、やや裕福な層を対象にT型フォードのサイドバルブ4気筒エンジンにボルトオンで装着できるSOHCやDOHCのレーシングエンジンキットも供給されていた。

 さらに1930年代以降になると、T型フォードの軽量シャシーに同じフォードのフラットヘッドV型8気筒エンジンを搭載した、いわゆるホットロッドがドライレイクやソルトフラッツ(中西部の湖や塩湖が干上がった平原)を舞台に開催されていたハイスピードチャレンジで多用されるようになった。

 ホットロッドはモータースポーツのカテゴリーとして、アメリカのクルマ社会にしっかりと根付き、第2次世界大戦を挟んで現在も極めて盛んなカルチャーとなっている。

 さすがに現代ではT型フォードベースの現役ホットロッドを見ることは少なくなったが、それでもヒストリックホットロッドイベントなどではおなじみの存在である。

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