リニア「2027年開業」はもはや絶望的 静岡県が強硬に反対しているワケとは
リニア新幹線の工事を巡り、静岡県の川勝平太知事が9月22日の定例会見で「早期開業が出来ない責任は神奈川県にある」と主張した。その背景にはいったい何があるのか。
造成が始まっていない車両基地

その後、地元住民の意見は二分されている。道路整備や地域振興策を条件に建設賛成を表明する住民がいる一方で、反対を表明し、複数の反対派で土地借地権を登記し、将来可能性のある強制収容に備える者もいる。
関東車両基地だけでなく、周辺にも用地買収が必要な地点は多い。例えば、橋本駅周辺で用地買収が必要なのは、相模原市緑区東橋本から橋本2丁目まで約900m、幅50mの区間で、想定地権者は約50人だ(2017年3月時点)。さらに、相模川までのトンネル区間は約800人となっている。
この区間はJR東海との協定に基づいて、相模原市が用地買収を担当、2019年度までの買収完了を予定していた。その後、橋本駅周辺ではリニア駅開業に向けて再開発が進んでいるが、用地買収の完了は報じられていない。
こうした遅れが明らかになったのは、2022年9月になってからだ。7日、相模原市役所で本村賢太郎市長と会談した川勝知事は、会談後の取材で
「車両基地は造成が全くされていない」
と指摘した。報道によれば、JR東海が取得している車両基地は全体の5割程度で、造成は全く始まっていない。
このことを危惧した川勝知事は、品川~名古屋間の2027年開業はもちろん、相模原~甲府間の部分開業も困難だとして、視察の所見をリニア建設促進期成同盟会や加盟自治体に送付。
「神奈川工区以外も用地買収の進行などを調べ、検証すべきだ」
と表明した。さらに9月10日には、愛知県の大村秀章知事に対しても現状再確認を要請したことから、問題が広く知られることとなった。
これを背景に14日に川勝知事とJR東海の金子慎社長が約2年ぶりに会談。未着工の静岡工区の問題を話し合ったが、会談は物別れに終わった。