飛行機が海の自然を守る! 特殊センサーを使った「潜らない水域調査」をご存じか

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水域調査の課題の解決手段として、近年、特殊な航空機センサーを取り付けた小型飛行機やドローンが注目されている。

熟練不要、誰でも調査が可能に

 画像解析は、高解像度カメラやハイパースペクトルセンサーなどを備えた航空機で空撮画像を取得することにより行う。海中の藻場は黒っぽく映ることが多く、周囲の堆砂域(たいしゃいき)と違う状態で観測できる。この特徴を利用して、色などの波長情報から藻場を判別する。

 2020年に発表された新潟県水産海洋研究所による調査では、無人航空機を使って撮影した334枚の航空写真を1枚の写真に合成し、機械学習の一種であるランダムフォレスト法を使った解析や、人による目視判別などの結果を比較した。

 その結果、潜水の経験が無い人でも、正解のデータを参照することで、高い精度を示すことが明らかとなり、藻場調査のコストを下げる可能性があることがわかった。これは、条件さえ整えば潜水の経験の有無が判別結果に影響を与えず、熟練が不要であることを意味している。

飛行機による調査効率は船の100倍以上

画像解析による藻場抽出結果(画像:中日本航空)
画像解析による藻場抽出結果(画像:中日本航空)

 一方、航空レーザー測深機(ALB)を使った調査は、水中を透過し水底で反射する緑色の波長帯(グリーンレーザー)と、水面で吸収または反射する近赤外レーザーを組み合わせることで、密生した海藻の形状を把握する手法だ。

 空間情報コンサルタントのアジア航測(東京都新宿区)が2016年2月、ALBによる航空レーザー測深と同日に、船による音響測深を行った。

 それぞれがかかった時間を比較したところ、ALBは約4900haを2時間30分で計測したのに対し、音響測深では約130haを観測するのに7時間かかった。調査者らは、ALBの作業効率が音響測深の100倍を超える、と結論づけた。

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