日野自動車エンジン不正 「過去の栄光」「社内力学」にとらわれた機能不全企業に最後の光は差し込むか?

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8月2日の行われた日野自動車の「調査結果および今後の対応」公表。同社は今後再生できるのか。

「排出ガス」「燃費」の不正内容

「HINO SCR UNIT」(画像:Hino SCR Brochure)
「HINO SCR UNIT」(画像:Hino SCR Brochure)

 不正内容は「排出ガス」「燃費」の2点だ。

●排出ガス
 排出ガスの規制は段階的に強化され、最新は2016年の「ポストポスト新長期規制」だ。対応技術は、「燃料噴射高圧化」「可変ターボチャージャー」「3種の排出ガス後処理装置」を組み合わせたシステムが標準となっている。後処理装置のひとつである「NOx触媒(SCR)」は尿素を使うのが一般的だが、「環境トップランナー」を目指す日野は「世界で初めて」尿素を使わないNOx触媒を開発し、2009(平成21)年に量産化した。複雑なシステムには背反する制御パラメーターもあり、最適化する業務量は膨大だ。さらに25万~65万kmの走行によるシステム劣化後の排出ガス性能も法規で規制される。この劣化度を計算するための係数を人為的に操作し、排出ガス性能を偽った。

●燃費
 2006年、重量車のカタログへ燃費値の表示が義務付けられたと同時に、2015年規制を前出しで達成したクルマには優遇税制が適用された。商品企画の担当役員からの強い要請でエンジン実験部は厳しい目標に挑戦したが、トレードオフの関係にある排出ガス性能との両立に苦しんだ結果、燃費測定機器の構成を人為的に操作するなど燃費性能を偽った。

 このように、車両の開発責任者や役員から無理難題が飛んでくることは多くの自動車会社でも発生する。また、厳しい開発日程の中で開発が遅れても、量産の延期を提案することは難しい。

 それでは、なぜ日野だけが不正に手を染めたのだろうか?

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