ドローンで配送「牛の受精卵」移植実証に成功! 世界初、子牛の供給不足に新たな流通網
NEXT DELIVERYは、北海道上士幌町で行っていた牛の受精卵のドローン配送実証実験について、移植実証に成功したと発表した。
片道7km超をドローンで空輸
北海道上士幌町とJA上士幌町、NEXT DELIVERY(山梨県小菅村)は、2022年7月1日(金)に同町でドローンを活用した世界初の牛の受精卵配送の実証実験を実施。このたび受精卵の移植実証に成功したと発表した。
JA全農ET研究所で採卵された、冷凍保存していない牛の受精卵(新鮮卵)を、ドローンによって同町内の農家宅へ配送した。片道約7.1km、約13分。牛の受精卵のドローン配送は世界初の取り組みという。
日本の肉牛生産は、生産基盤の縮小により構造的な子牛供給不足が深刻化している。そうした中、和牛の子牛共有の手段として、乳牛を「借り腹」とした和牛受精卵移植による子牛生産の重要性が増している。
一般的な受精卵移植は、凍結・保存した受精卵を使用するが、凍結や解凍の過程で受精卵が損傷を受ければ、受胎率は低下する。一方で新鮮卵は、冷凍受精卵よりも安定した受胎率は得られるが、採卵当日に移植を行う必要があり、採卵・流通・利用の関係上、広域流通は困難となっている。
同実証は、新鮮卵の受胎率や広域流通の可能性を検証するもので、国の「デジタル田園都市国家構想推進交付金」を活用。今回の実証を含め2022年度中に計4回の実証を予定している。