70~80年代の日本で大活躍! イギリス名門バイクの「エンジン」がライダーを魅了し続けたワケ
イギリスの名門モーターサイクル「トライアンフ」。1930年代に注目を集めたそのメーカーのエンジンは、70~80年代の日本で大いなる活躍を見せた。半世紀を超えてライダーやレーサーに愛されたその軌跡をたどる。
今も語り継がれる最高の成功例
1950年代の初登場から実に40年以上、最盛期だったのは1970年代から1980年代初めに掛けてであり、またその時点ですでに市販車用量産エンジンとしては生産を終えていたオールドタイマー。
モータースポーツの世界において、こうした使い方をされた例は世界的に見ても極めて異例だった。
トライアンフの2気筒エンジンが長く使われた例としてはアメリカのドラッグレースがあるが、ヒストリックレースを除くと全盛期は1950年代から1960年代であり、その後は日本製モーターサイクルの後塵(こうじん)を喫することとなる。
日本におけるトライアンフ2気筒は、その後継モデルというべきメグロ2気筒に対しても、構造的に極めて大きな影響を与えたと言われている。
そして現代、スピードツインからボンネヴィルに至るトライアンフ2気筒エンジン市販車の系譜は、モーターサイクルの歴史における最高の成功例として語り継がれている。
その中に日本のオートレース用エンジンがあるということは、残念ながら日本以外ではほとんど知られていない事実ではあるが、このユニークなエピソードを日本人のモーターサイクル乗りとして誇りに思いたい。