宅配だけではない! 今注目すべき物流事業の「宝の山」とは

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宅配や引っ越しなどの消費者物流領域は相対的に高収益になっている。しかし、物流事業の今後の「宝の山」はどこにあるのか。

物流事業の「宝の山」とは

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 このコロナ禍で、在宅勤務が広まったこともあり、引っ越し業務は激減するだろう。イベントの開催数も激減し、会場設営といったロジスティクス需要も生まれない。また、少子高齢化は深刻なため、イベントによる食料製品の出荷量にも期待できない。

 宅配や引っ越しなどの消費者物流領域は相対的に高収益になっているが、競争はもっと熾烈(しれつ)になり様相は変わる。また、料理宅配も物流事業としてのルールが守られなければならない。

 物流業界は今まで、第1次産業領域(農業、林業、漁業)を本格的に手掛けていなかった。この分野で主導権を握っているは農協だが、食糧安保論議が再燃し、今のままでは済まない事態になるだろう。食糧自給率4割が国の大きな目標だったが、クリアされていない。一方、生鮮食品のニーズは高まり、自然食品流通が本格的に見直されていく。

 コロナワクチンでマイナス80度の、超低温帯と呼ばれる温度管理が必要となった。食品で言えばマイナス40度以下の冷凍マグロがそれに属するが、それをはるかに下回る温度帯だ。制ガン剤などでもそのニーズはあり、新たに医薬品を中心とした需要が拡大するだろう。ただトラックではもうこの温度は実現できず、ドライアイスとの併用になる。航空機も防爆の関連で同様であり、冷媒を運ぶようなことになる。

 だが「宝の山」はある。液化天然ガス(LNG)のマイナス162度という温度帯だ。これが燃料として気化されるとき、放出される膨大な冷熱エネルギーが有効に活用されているは言い難い。

 低温物流というジャンルには教科書がなく過酷だが、可能性は限りなく拡がっていくだろう。

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