デンソー、空飛ぶクルマの「心臓」開発中! 巨大サプライヤーが目指す未来の交通社会とは
1万6000人余りが来場した「人とくるまのテクノロジー展2022 NAGOYA」。デンソーのブースでは、開発が進む空飛ぶクルマの「電動推進ユニット」の展示が見られた。
自動車と空飛ぶクルマ、異なる設計思想
自動車用のハイブリット車用モーターなども当初は「集中巻き」と呼ばれる軽量と高効率な方法が取られていたが、この方法だと騒音特性やコギングと呼ばれる振動特性が出やすい傾向にあり、現在ではより振動特性に優れる分布巻きが主流となっている。
空飛ぶクルマ用のモーターユニットはこの発想がまた異なり、騒音や振動問題よりも、現時点では軽量さと高効率さがより重視されるとのことで、集中巻きタイプにて製品化が進められている。
これにより、自動車用に比べて出力密度は3倍以上を達成しているとのこと。出力密度が増せば同じ質量でよりハイパワーな、もしくは出力が同じでよりコンパクトな筐体(きょうたい)設計が可能ということになる。
同じモビリティ分野でありながら、自動車と空飛ぶクルマのユニットでは、設計思想が異なるベクトルで進められていることがうかがえる。
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デンソーは、空飛ぶクルマのユニット開発について、将来のモビリティ社会における大きな移動革命を担う存在として捉えている。
同社として、従来長年支えてきた「安全」という価値を担保しながらも、未来のモビリティ産業を引き続き支える存在でありたい、その具現化のひとつとしてこの開発がある、と話していた。