トヨタ初のBEV「bZ4X」が「KINTO専用車」として登場した合理的理由

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トヨタはBEV「bZ4X(ビーズィーフォーエックス)」を「KINTO専用車」という新しい販売手法で展開する。その背景には何があるのか。

KINTO専用販売がもたらすメリットとは

bZ4Xの内装色。ライトグレー(画像:トヨタ自動車)
bZ4Xの内装色。ライトグレー(画像:トヨタ自動車)

 前述のとおり、トヨタがBEV市場切り込みの急先鋒(せんぽう)であるbZ4Xの販売手法として選んだのが、KINTOを通したサブスクだ。サブスクがもたらすメリットとは一体何だろうか。

 買い手が一度に多額の金額を払って「買い切る」従来の自動車購入モデルとは異なり、サブスクは月額費用を支払えば所有でき、気に入らなければ解約できる。そのため。買い手側の購入に対する心理的ハードルを下げられる。これがサブスクのメリットだ。

 更に、トヨタが導入したサブスクはただのサブスクではない。一般的にKINTOが展開する自動車販売サービスの特徴は、自動車の維持に関わる項目について、その多くが「コミコミ」となっている点だ。これに加えて、bZ4Xは独自の特典を追加し、次の内容を月額利用料(および申込金)に込みとしている。

・車両本体価格(メーカー希望参考価格600万円)
・登録諸費用
・自動車関係諸税
・自動車保険料
・車検代
・メンテナンス
・故障修理および代車費用
・消耗品交換
・駆動用バッテリー保証(10年間、または走行距離20万kmまでの間、容量70%を保証)
・コネクティッドサービス(T-Connect)

 いかがだろうか。特に前項で取り上げた、高額な駆動用バッテリーの交換費用のリスクについては見事に解消されている。

 これほどのサービス内容であれば、「試しにbZ4Xを所有してみよう」という気になるユーザーも多く出てくるだろう。一部制約があるものの、気に入らなければ途中解約すればよい。bZ4XのKINTOを通した販売は、買い手にとってBEV購入の心理的ハードルが大きく下がるものとなっている。

 結果的に、BEV事業におけるこのような買い手側のリスク回避が、ひいては売り手側のリスク回避にもつながる。それはBEV市場において後塵(こうじん)を拝しているトヨタにとって、bZ4Xを皮切りに当該市場で大きく巻き返す起爆剤となり得るだろう。

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