LINE、なぜカーナビサービス終了? トヨタとタッグ組むも1年半で終了する理由とは

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LINE株式会社は、カーナビゲーションアプリとして展開している「LINEカーナビ」のサービスを2021年5月31日をもって終了することを同年1月13日に公式ウェブサイト上で明らかにした。トヨタとタッグを組む形でスタートしたカーナビアプリ事業だが、なぜ約1年半でサービス終了となったのだろうか。

なぜ開始から1年半でサービス終了?

LINEカーナビとLINE上で友達になっていると通知される通知メッセージ。
LINEカーナビとLINE上で友達になっていると通知される通知メッセージ。

 モバイルメッセンジャーアプリ「LINE」を展開するLINE株式会社は、カーナビゲーションアプリとして展開している「LINEカーナビ」のサービスを2021年5月31日をもって終了することを同年1月13日に公式ウェブサイト上で明らかにした。
 
 サービス開始から約1年半で終了することとなりますが、なぜ昨今活用される機会が多いカーナビアプリのサービスが終了するのだろうか。

 LINEカーナビとは、同社のAIアシスタント「Clova」で培った高精度の日本語音声認識、音声合成技術を活用した音声インターフェースと、トヨタのハイブリッドナビエンジンを組み合わせた「AIカーナビ」だ。2019年9月のトヨタ12代目「カローラ/カローラツーリング」発売にあわせてサービスがリリースされ、声による操作が可能となっていることで、運転時の「ながらスマホ」を防止し、安全かつ便利に利用出来ることを特徴としていた。

 LINEカーナビに搭載されるClovaは、「ウェイクワード」とよばれる専用の単語の「ねぇClova」と話しかけることで、目的地設定をはじめとした操作が可能。例えば「ねぇClova、新宿駅に行きたい」「ねぇClova、ドライブに合う曲をかけて」といったセリフによってルート案内や音楽の再生を行える。

 また、LINEカーナビ独自の機能として「ねぇClova、LINE送って」と話しかけることで、スマホを見ることなくLINEメッセージの送信が可能になるなど、メッセンジャーアプリとの連携も話題となった。

 LINEカーナビの開発背景について、サービス開始時にLINEの担当者は、次のようにコメントしていた。

「トヨタは、近年『コネクティッド』や『つながるクルマ』といったキーワードを基に、サービスを展開しています。そのようななかで、『つながる』ためのコミュニケーションアプリを提供している弊社に、トヨタから声をかけていただいたという経緯があります」

※ ※ ※

 その後、トヨタから登場する新型車で連動出来るようになっていくLINEカーナビですが、なぜ前述のとおりサービスを終了するのだろうか。

 前述の担当者はサービス終了について、次のように話す。

「LINEカーナビのサービス終了の理由は、今後の方針など様々な要因を踏まえ検討した結果、残念ながらサービスを終了する運びとなりました。なお、現時点ではLINEカーナビを友だち登録しているお客様向けにプッシュ通知でサービス終了のご案内を行っています」

 今後のLINEカーナビの終了までのスケジュールとして、アプリ自体のダウンロードは2021年4月30日で終了し、5月31日でサービスを終了するとしている。ユーザー情報については「サービス終了後、ユーザー情報は廃棄いたします」と説明している。

 なお、プッシュ通知画面では、利用ユーザーに対して次のようにアナウンスしている。

「これまでご利用いただきました皆様に心より感謝申し上げるとともに、サービス終了によりご不便、ご迷惑をおかけいたしますこと深くお詫び申し上げます。何卒、ご理解賜りますようお願い申し上げます。引き続き、LINE CLOVAをどうぞよろしくお願い致します」

 なお、6月1日以降はアプリを開くとサービス終了のポップアップが表示され、それ以降の機能が使えない状態になるという。(提供:くるまのニュース)

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