埼玉県初の「燃料電池バス」 12月1日運行スタートの西武バス版「SORA」を見てきた
埼玉県初となる燃料電池バスの路線運行が2020年12月1日から始まる。それに先立ち、導入会社のひとつ西武バスが燃料電池バスの報道公開を実施。従来のバスとはだいぶ姿を見せた。
大規模災害時は発電設備にもなる最新の路線バス
西武バス(埼玉県所沢市)は2020年11月25日(水)、新たに導入したトヨタの燃料電池バス「SORA」の報道公開を行った。
燃料電池バスは、燃料電池自動車と同様、搭載した燃料電池で発電し、電気の力で走るバスだ。発電は充填した水素と酸素の化学反応によって行われるため、ガソリンやディーゼルエンジンのように二酸化炭素を含む排気ガスを出すことがなく、環境負荷が低いのが特徴だ。
実際に運転した西武バスの社員によると、加速が良く走り出しが非常にスムーズで、かつ変速ショックもないという。音も静かで、乗り心地も良さを感じてもらえるのではないかとのこと。
ちなみに、燃料電池自動車と同じように、燃料電池バスも自車で発電した電気を分配できるよう、車体後部に配電装置を備えていた。西武バス広報の話によると、これは大規模災害が発生した際などに使用するのではないかということだ。
西武バスは2020年12月1日(火)から、所沢営業所管内の「所52」系統(所沢駅東口~志木駅南口)および「所55」系統(所沢駅東口~東所沢駅)の2系統で運行を始める予定だ。また2日後の12/3(木)には東武バスウエストも同様に「SORA」の運行を開始する。
埼玉県内の路線バスに燃料電池バスが導入されるのは、今回が初めてになるが、燃料電池バス自体は、2018年の都営バスを皮切りに、京急バスや東急バス、京成バスなどでも運行されている。
西武バス広報の話によると車両は6年間のリースであり、その間、水素の価格など様々な状況を見極めながら、車両の増備や再リースなどを勘案していくとのことだ。(提供:乗りものニュース)