ヨーロッパ列車「リンク式連結器」はスムーズ発進が魅力 でも、実は現場を悩ますデメリットがあった
日本で一般的に見られる「自動連結器」「密着連結器」、一方、ヨーロッパで主流の「リンク式」「バッファー・リンク式」。双方のメリット・デメリットを検証する。
「自動連結器」と「リンク式」違いは?

日本国内で一般的に見られる鉄道車両の連結器は、ほとんどが「自動連結器」もしくは「密着連結器」と呼ばれるものだ。
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いずれも車端部の中央部分から突き出た連結器を相手側とつなげる仕組みで、この自動連結器は日本のみならず、アメリカや中国、ロシアなどで広く普及している。
一方で、ヨーロッパでは「リンク式」、もしくは「バッファー・リンク式」と呼ばれる連結器が主流だ。車両から飛び出たフックにリンク(いわゆる鎖)を引っかけて連結するもので、鉄道黎明(れいめい)期から使用されている最も原始的な連結器だ。
自動連結器は、その名の通り、連結係が線路へ降りて作業を行わなくても連結できるのが特徴で、安全性や作業の省力化が特徴となっている。連結器の種類によっては、連結と同時に空気管や電気連結器(電気配線を接続するもの)の接続までできるものもある。
その半面、とりわけ自動連結器に関してはわずかなすき間が避けられないため、どうしても発進時にわずかな衝撃が発生する。客車の寝台列車が走っていた当時、発進時に「ガクン」という揺れで起こされたことを記憶している読者もいるだろう。