「鉄道のない空港」静岡空港、なぜANA撤退でも注目が集まるのか? 国内2路線を失う一方で何が起きているのか――地方空港で変わり始めた「使われ方」とは

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ANA撤退と鉄道欠如に苦しむ富士山静岡空港だが、2026年7月の国際線搭乗率が75.5%へ急改善し、ソウル便は79.5%を記録するなど反転の兆しを見せる。首都圏補完需要の取り込み、富裕層向けビジネスジェット戦略、さらに国の「特定利用空港」指定による国費活用をテコに、長年の赤字体質から脱却できるか。

赤字空港に迫る路線網の転換

富士山静岡空港のANA旅客機(画像:澤田真一)
富士山静岡空港のANA旅客機(画像:澤田真一)

 静岡県中部に位置する富士山静岡空港(静岡県牧之原市、島田市)のあり方をめぐる議論は、計画段階から現在に至るまで絶えない。都道府県が所有する地方管理空港として歩んできたが、所有者の静岡県は第三セクター方式をとらず、指定管理者制度等の枠組みを用いて民間の富士山静岡空港株式会社に運営を行わせている。

 開港当初より赤字が定着し、抜本的な打開策を見出せていないのが実情だ。直下に東海道新幹線が通過しているものの、新駅整備計画についてJR東海側は否定的な立場を崩しておらず、直接接続する鉄道路線を持たないアクセス構造が重い課題として残り続けている。

 ここに追い打ちをかけるように、2026年9月30日をもってANAの国内2路線(静岡~新千歳便、静岡~那覇便)が撤退する。日本航空(JAL)の経営破綻にともなう2010(平成22)年の撤退に続き、

・大手航空会社(フルサービスキャリア)への依存
・鉄道の不在

という二重の困難は、日本の国際線需要が集中する羽田や成田など首都圏の巨大拠点に需要が集中するなか、大型機で不特定多数の乗客を大量輸送する従来のビジネスモデルからの離脱を迫るものだ。

 だが視点を変えれば、一般的な交通拠点から、訪日団体客や超富裕層など

「特定の顧客層」

に特化する高付加価値型空港へ転じる好機ともいえる。苦境が続くように見える静岡空港だが、海外路線の伸びが新たな事業構造転換の足がかりとなりつつある。

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