空港ラウンジ、なぜ年1回でも「ゴールドカード」を持つのか? 7割が利用、「大衆化」で変わる出発前の価値とは
座席利用率83.5%と空の便が混雑する中、空港ラウンジの役割が大きく変化している。利用者の70%がゴールドカードを保有する一方、年間の利用回数は1回が最多の39%。かつてのステータス空間から年1回の出発時間を豊かにする実利用価値へシフトする消費者の深層心理と、空港動線が抱える課題を追う。
利用回数では測れぬ滞在環境の価値

2026年現在、世界の航空市場は底堅く回復している。国際航空運送協会(IATA)の5月データによると、座席利用率は過去最高の83.5%に達し、日本国内線もプラス成長を記録した。機内の混雑が高止まりする中、搭乗前の時間をいかに快適に過ごすかという関心は急速に高まっている。
空港ラウンジといえば、出張の多いビジネスパーソンや富裕層向けの空間というイメージが強い。しかし、ゼロアクセル(東京都千代田区)が自社サイト・ココモーラで行った空港ラウンジに関するアンケート調査(20代~60代以上の男女100人が対象、2026年8月27日発表)からは、少し違った実態が浮かび上がる。
ラウンジ利用時に使われるクレジットカードは、ゴールドカードが70%を占めた。プラチナカードが13%、ブラックカードが7%、一般カードが10%と続き、上位3種類で全体の90%に達する。
一方で、年間のラウンジ利用回数は1回が39%で最も多い。ラウンジの年間利用が1回にとどまる人であっても、その1回の搭乗前時間に価値を見いだしている。かつての限られた人向けの特別な場所から、より多くの人が味わえる付加価値へと間口が広がったと言えよう。
利用する最大のメリットとして、「軽食やフリードリンクを楽しめる」を挙げた人が74%に上る。
空港に着いてからチェックインを済ませ、搭乗を待つまでには様々な時間がある。年1回しか飛行機に乗らない人であっても、その待ち時間をどう過ごすかでラウンジの意味は大きく変わってくる。
利用頻度が低い層がこれだけ存在するという事実は、カードの特典に年間何回使うかという数字だけでは測りきれない価値があることを物語っているだろう。