なぜカー用品店で女性の「つきそい」が2割強を占めるのか?──見過ごされてきた来店実態が映す店舗ビジネスの変化、加速する新たな動き

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3兆円規模の自動車用品市場が将来の縮小を見据えるなか、カー用品店の間で「滞在」の価値を高める動きが本格化している。着目すべきは、女性の来店目的の2割強を占める同行者の存在だ。顧客の可処分時間を巡る争奪戦のなか、これまで見過ごされてきた作業待ち時間をどう収益化するか。二極化する店舗の未来を追う。

つきそい層が放つ潜在価値

カー用品店のイメージ(画像:写真AC)
カー用品店のイメージ(画像:写真AC)

 カー用品店へ通う人々の姿を眺めると、売り手が思い描く顧客のイメージとは少し違う動きが見えてくる。店を訪れる目的は「カーアクセサリーなどカー用品の購入」が33.4%、「タイヤ交換・購入」が26.8%、「オイル交換」が20.3%と、今もなお車の整備や消耗品の買い替えが商売の柱だ(『マイボイスコム』「カー用品」に関するインターネット調査。2026年6月10日発表)。一方で、主役の後ろには、判断に直接加わらない同行者が寄り添っている――。

 女性では「同行者のつきそい」が2割強を占め、男性を上回る。店側が

「来店者 = 買い手」

と思い込んでいると、実態との間に大きな隔たりが生じる。連れ添って歩く人はまぎれもない客でありながら、これまで買い物の流れの外側に置かれがちだった。

 車が移動の道具から暮らしの空間へと移り変わるにつれ、品物の役割も車内の心地よさや日々の暮らし全体へと広がっている。家族のなかで何を選ぶか、一緒に来る人の意見が重みを持つ。

「夫が行くのについていくことが多いので、時間を持て余すので、座るところと何か飲み物を飲みながら夫の用事を待てればいいのになと思う」(女性49歳)

という本音が示す通り、目前にあるのは、まだうまく生かされていない店で過ごす時間の存在である。

 多くのカー用品店は、修理や買い物など、はっきりした用事のある人を迎えるようにつくられてきた。ゆえに作業が終わるまでの待ち時間は、“サービスのおまけ”として片付けられがちだった。だが、同行者にとってこの時間は退屈なひとときに変わりやすい。

「駅から遠いところが多いので預けた後帰るのが大変」(女性54歳)

という声が物語るように、立地の不便さも重なり、店にいること自体がただ所在なく待つだけの時間になっていた。

 世の中のビジネスにおいて顧客の可処分時間の奪い合いが激化するなか、作業待ち時間は顧客が確実にとどまってくれる貴重な機会でもある。この時間を商売の種にするため、近くの商業施設などと手を取り合い、地域全体で客の時間を満たそうとする試みが動き始めている。待つ時間を新しい体験へと変える取り組みが、これからの収益の道を広げつつある。

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