EV「世界3割」の衝撃――日本車の逆転なるか? 中国勢シェア55%の“関ヶ原”で進む再編と技術融合

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世界の新車販売でEVシェアが3割に達する2026年。市場は補助金頼みの黎明期を脱し、エネルギー危機や地政学リスクが交錯する実力勝負の“関ヶ原”へと突入した。中国勢が供給網を掌握する一方、問われるのは道具としての信頼性と知能化への対応だ。混迷する時代、日本車が培った「確かさ」は逆襲の盾となるか。

知能化と商用EVへの価値移転

米国(画像:Pexels)
米国(画像:Pexels)

 これから先、目を向けるべきは市場がどこまで膨らむかという規模の話ではない。むしろ、その成長が生む価値が、産業のどのあたりに流れ込んでいくか、という点に尽きるだろう。

 IEAの予測では、世界のEV保有台数は2035年までに5億1000万台に届く。いまの約8000万台から見れば驚くような積み上がり方だが、その裏で、産業の重心は車両の組み立てから、電池やエネルギーインフラ、さらにはソフトウェアの階層へと、はっきりと移りつつある。

 こうした価値の移り変わりは、商用車の世界を見てもわかりやすい。2025年の電動トラックの販売台数は前の年から倍に増えた。世界で新しく売り出されるトラックの

「10台に1台」

が、すでに電動モデルになっている計算だ。こうした動きを追うと、自動車メーカーの立ち位置が、作り手から、社会の土台を支える役割へと少しずつ歩みを進めていることがうかがえる。車の良さを決める基準も、走りの性能だけでなく、移動の合間の体験や、電気をいかに賢く管理できるか、といったところに移ってきた。

 顔ぶれの間での役割分担も、刻一刻と形を変えている。それぞれの地域が独自のつながりを広げ、腰を据えた供給体制を整えようと動くなか、完成車メーカーから部品の出し手、さらにはエネルギーを担う会社へと続く、価値のつながりがこれまでにない広がりを見せている。それぞれの会社が、自分たちの強みをいまの環境に合わせて広げていこうとしているのだ。

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