EV「世界3割」の衝撃――日本車の逆転なるか? 中国勢シェア55%の“関ヶ原”で進む再編と技術融合
世界の新車販売でEVシェアが3割に達する2026年。市場は補助金頼みの黎明期を脱し、エネルギー危機や地政学リスクが交錯する実力勝負の“関ヶ原”へと突入した。中国勢が供給網を掌握する一方、問われるのは道具としての信頼性と知能化への対応だ。混迷する時代、日本車が培った「確かさ」は逆襲の盾となるか。
多極化する市場と現地への適応

世界各地で進む車の電動化は、どこも同じように動いているわけではない。それぞれの土地が抱える事情やインフラの整い具合によって、独自の広がりを見せ始めている。2026年3月の集計によれば、世界約90か国で前年の実績を上回り、そのうち約30か国が月間の過去最高販売を塗り替えた。これまでの特定の国々が引っ張る形から、各地の特性に合わせた自律的な広がりへと、その中身が移り変わっている。
なかでも、東南アジアの変化は一段と際立っている。2025年の年間販売台数は前の年から倍増し、市場に占める割合は20%に迫る勢いを見せた。域内最大の市場となったベトナムをはじめとする各国は、いまのエネルギー危機を受けて、税制面での後押しをさらに強める構えだ。
2035年にはシェアが6割に達するという予測も出ている。すでに電動化が進んでいる二輪や三輪の分野も伸び続けており、こうした動きは充電網の広がりを促すとともに、現地の暮らしに寄り添ったきめ細かな対応を各社に求めている。
電気の供給がどれほど安定しているか、充電できる場所がどれだけあるか、あるいは燃料の価格がどう動くか。こうした土地ごとの違いが、それぞれの場所で異なる進化の形を生んでいる。どこへ行っても同じものを作るのではなく、各地が抱える課題に向き合い、ふさわしい選択肢を用意することが、いまの市場では重みを増してきた。
需要がバラバラに広がる現状は、長年現場で培ってきた柔軟な対応力や、多種多様な動力源を形にする技術の厚みが、ふたたび表舞台に立つ機会を広げているのだ。