EV「世界3割」の衝撃――日本車の逆転なるか? 中国勢シェア55%の“関ヶ原”で進む再編と技術融合

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世界の新車販売でEVシェアが3割に達する2026年。市場は補助金頼みの黎明期を脱し、エネルギー危機や地政学リスクが交錯する実力勝負の“関ヶ原”へと突入した。中国勢が供給網を掌握する一方、問われるのは道具としての信頼性と知能化への対応だ。混迷する時代、日本車が培った「確かさ」は逆襲の盾となるか。

際立つ中国一極集中と知能化

中国(画像:Pexels)
中国(画像:Pexels)

 供給のあり方を眺めると、特定の場所への偏りが一段と際立ってきた。2025年の時点で、世界のEV販売の約6割を中国勢が占めている。作る側に目を向けても、世界全体で世に出た約2200万台のうち、4分の3近くが中国での生産だ。

 国内で使い切れないほどの力は、そのまま外の世界へと向けられている。中国からの輸出台数は前の年に比べて2倍となる250万台を超え、これまでで最も多い水準を塗り替えた。実際、中国や欧州、米国といった主要な場所を除けば、売られているEVの

「55%」

が中国からの輸入車だ。わずか5年前には5%にも満たなかった数字が、驚くほどの速さで膨れ上がったことになる。

 この偏りは、車そのものだけでなく、さらに上流の部品や材料のつながりにも及んでいる。心臓部である電池セルの生産では、中国勢が全体の約8割を供給しており、材料の調達まで含めて他を寄せ付けない強みを保っている。こうした大規模な生産の広がりは、作るコストを抑える力となり、結果としてEVがより多くの人の手に届く土台を作ってきた。ただ、作る拠点がこれほど1か所に集まった事実は、これからの産業のあり方を考えるうえで、

・供給の網をいかに広げ
・揺るぎない体制を整えていくか

という、新しい問いを各社に投げかけている。

 一方で、車そのものが持つ価値の源は、目に見える車体や部品から、AIやソフトウェアといった目に見えない領域へと広がりつつある。IEAのリポートが、技術の動向としてソフトウェアや人工知能を重く見ているのは、産業の重みが「いかに効率よく作るか」から、

「いかに高度な制御を組み込むか」

へと移っている裏付けだろう。これまで積み上げてきたものづくりの土台と、知能化という新しい流れが結びつくことで、これまでの枠組みを超えた他業種との手を取り合う動きが、さらに勢いを増しているのだ。

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