なぜ今“MR2復活”が現実味を帯びるのか? 最終利益3兆円のトヨタが示す、ミッドシップ再挑戦の可能性
EVシフトと環境規制で国産スポーツカーが縮小するなか、トヨタは過去最高の利益を背景にミッドシップ開発を前進させる。一方、ホンダは4000億円規模の営業赤字見通しで岐路に立つ。名車復活を左右するのは、ブランドではなく経営体力そのものだ。
潤沢な資金と商標が示す勝機

トヨタはハイブリッド車(HV)や水素自動車を優先する構えを見せつつ、走りの質を追い求める開発にも力を注いでいる。
2026年3月期の連結決算に目を向けると、営業収益は50兆6849億円と過去最高を塗り替えた。営業利益は3兆7662億円、最終利益は3兆8480億円を守っている。続く2027年3月期も3兆円の最終利益を見込んでおり、こうした莫大な収益の積み重ねが、新しい挑戦を支える原資となる。2025年11月に出願された
「GR MR2」
という商標も、かつてのブランド力を引き継ぐ知財戦略の一環だろう。
MR2は、かつて量産型のミッドシップ車として親しまれた名前だ。車体の中央にエンジンを置くこの方式は、重さのバランスに優れ、鋭い曲がりを実現する。ただ、特殊な骨組みが必要となるため、他社が容易に真似できない壁となってきた。現時点でこの仕組みを持つ国産車は存在しない。
それでも、豊田章男会長の強い思いのもと、利益率の高い上質な市場を狙う動きがレース開発の現場からも聞こえてくる。市販化への期待は、今まさに高まっている。