あおり運転の被害者「73%」という現実! ドラレコを「付ける人」「付けない人」は何が違う? ソニー損保調査が映す普及局面の構造変化
ドライブレコーダーの搭載率は2025年に53.8%と過半数を超え、市場は成長期から成熟期へ移行した。あおり運転経験72.5%という現実も追い風となり、装着は日常装備へと定着しつつある。導入の主役は「必要性」から「手軽さ」へと変わり始めている。
あおり運転急増と自衛の合理性

日本自動車連盟(JAF)が説くように、ドライブレコーダーは衝撃が加わった際の前後の映像や音を捉える車載用の道具だ。2005(平成17)年あたりから広まり始め、今では事故が起きたときの証拠として警察や保険会社からも頼りにされている。近頃はSNSによる可視化や交通トラブルのニュースが増えたことで、自分を守るための備えとして評価が一段と高まった。
チューリッヒ保険会社(東京都中野区)が2024年6月に発表した調査によると、あおり運転をされた経験があるドライバーは
「72.5%」
に達し、前の年から19ポイントも急増している。激しい接近などの被害が目立つ一方で、きっかけに心当たりがない人が76.3%にのぼる事実は、誰もがいつ当事者になってもおかしくない現状を物語っている。
パイオニアが2024年12月に公表したデータを見ても、設置率が71.6%と高い近畿地方では、あおり運転への対策が導入理由のトップだ。交通が激しい地域ほど、思わぬ不利益を避けるためにコストを払うという合理的な判断が働いているのだろう。
普及を妨げる壁も依然として厚い。前述のチューリッヒ保険会社の調査で未装着の理由を尋ねると、
「機器の購入や取り付けに費用がかかるため(67%)」
が最も多かった。この背景には、お金の問題だけでなく、内装を剥がして配線を這わせるといった、車という大切な資産に手を加えることへの抵抗感も透けて見える。
価値を損ないたくない財産として車を大事に扱う人々にとって、これまでの付け方は手間や心理的な負担が上回っていたわけだ。導入を妨げていたのは作業にかかる時間や気苦労だったが、充電式やソーラー式といった製品の登場は、この壁を突き崩すきっかけになるだろう。