「良いトラックドライバーでありたい」 そんな善意が企業リスクに変わる? 10%の現場で続く“隠れ手伝い”が荷主を追い詰める
改正物流関連2法の施行により、ドライバーが会社に申告しないまま棚入れなどを行う「隠れ付帯作業」が、荷主や元請事業者にとって大きなリスクとして認識され始めている。では、こうした隠れ付帯作業はなぜ発生するのか。その背景を整理する必要がある。
制度と人の感情の間に生じる新たな課題

運送会社の体質や営業所長、配車担当者の対応にも左右されるが、ドライバーのなかには勤務先への帰属意識が低い者もいる。こうした人のなかには、出社時と帰社時の2度の点呼で、わずか数分の事務的なやり取りしかない職場よりも、毎日のように訪れ、そのたびに「いつもありがとう」「お疲れ様」と声をかけてくれる発荷主や着荷主のほうに強い親しみを持つ場合がある。
このような状況では、「日頃世話になっている分、少しでも役に立ちたい」と考え、会社に知らせずに付帯作業を行ってしまうこともある。これを一概に責めるのは難しい面がある。
ただし、隠れた付帯作業は荷主や元請にとって負担になるだけではない。運送会社側にも影響がある。ドライバーが荷主や元請に引き抜かれるおそれや、逆に信頼を失って取引そのものが途切れるおそれもある。個人的には、積み卸し先の担当者と雑談を交わすような関係が取りにくくなっていく一連の法改正について、どこか味気なく感じる。隠れた付帯作業の問題は、
・承認を得たい気持ち
・仕事への意欲
といった人の内面に関わるため、解消が容易ではない。
輸送の効率を高める方針自体はおおむね妥当だと考えられる。しかし法や制度は仕事の形は変えられても、人の気持ちそのものを変えることは難しい。そのため、こうした隠れ付帯作業の問題のように、新たな課題が生まれてしまうのである。