「良いトラックドライバーでありたい」 そんな善意が企業リスクに変わる? 10%の現場で続く“隠れ手伝い”が荷主を追い詰める
改正物流関連2法の施行により、ドライバーが会社に申告しないまま棚入れなどを行う「隠れ付帯作業」が、荷主や元請事業者にとって大きなリスクとして認識され始めている。では、こうした隠れ付帯作業はなぜ発生するのか。その背景を整理する必要がある。
善意による「隠れ付帯作業」が招くリスク

先日、ある運送会社で、小売店である荷主から「特定のドライバーが棚入れをしていたため、すぐにやめさせてほしい」という連絡があった。
当初は店舗の担当者がドライバーに棚入れを頼んでいたようで、ドライバーもそれを受け入れ、実際に棚入れを行っていた。しかしその後、担当ドライバーが交代した。新しく担当になったドライバーは棚入れの依頼を断った。その結果、店舗担当者が小売店本部に不満を伝え、今回の問題が表に出ることになった。
小売店側は運送会社に対し、「当社としては、貴社に限らず棚入れは一切求めていない。店舗担当者が個別に依頼してしまった点は申し訳ない。ただし今後、店舗担当者から同様の依頼があった場合は、その場で断ったうえで報告してほしい」と伝えたという。
かつて筆者は、小売店への配送を担う別の運送会社で、全ドライバーに対して面談を行ったことがある。その結果、およそ
「1割のドライバー」
が棚入れや商品の仕分け作業を行っていたことがわかった。あるドライバーは、その理由を次のように話している。
「自分はよいドライバーでありたい。そのため、お客さま(この場合は着荷主)の満足を高めるために、できることはやっていくつもりだ」
冒頭で触れたように、
・好意
・私的な気持ち
から余計な作業をしてしまうドライバーは、まだ扱いやすい面がある。注意を受ければ行動を改めることが多いからである。しかし、仕事への意欲から棚入れなどの付帯作業を自ら進んで行うドライバーについては、会社として対応に悩むことが少なくない。注意してやめさせようとしても、反発を招く場合があるためである。