「良いトラックドライバーでありたい」 そんな善意が企業リスクに変わる? 10%の現場で続く“隠れ手伝い”が荷主を追い詰める
改正物流関連2法の施行により、ドライバーが会社に申告しないまま棚入れなどを行う「隠れ付帯作業」が、荷主や元請事業者にとって大きなリスクとして認識され始めている。では、こうした隠れ付帯作業はなぜ発生するのか。その背景を整理する必要がある。
物流効率化法が求める輸送効率の向上

2026年4月に改正された物流効率化法では、
・荷主
・元請事業者
・運送会社
のすべてに対し、輸送の効率を高めることが求められる。とくに一定量以上の貨物を扱う特定荷主には、自社の荷物が運ばれる過程で発生する荷待ち時間や荷役時間を原則としてすべて記録し、その短縮に取り組む義務が課される。
また、1か所の積み卸しにかかる時間は2時間以内に収めることが求められ、さらに一運行あたりの荷待ちや荷役などの時間も合わせて2時間以内にする
「1運行2時間ルール」
も指針として示されている。このような状況では、ドライバーが積み卸し先で独自に棚入れなどの作業を行うことは認められない。むしろ、ドライバーが任意でこうした作業を行えば、荷主側にとって問題となるおそれがある。
2026年4月13日、日本経済団体連合会(経団連)は、「『特定荷主が物品の運送又は保管を委託する場合の特定の不公正な取引方法』改正案等に対する意見」という意見書を公表した。
この意見書は、2026年1月に施行された中小受託取引適正化法(取適法、旧下請法)に関連し、荷主側が不利益を受けないように求める内容である。そのなかで、荷役や付帯作業に関する指摘が含まれている。
「(運送以外の役務等の提供の要請)特定発荷主または特定発荷主から運送を受託した事業者の責めに帰すべき理由がある場合には、当該行為が規制対象に含まれない旨を明記すべきである」
物流効率化法および貨物自動車運送事業法(物流関連2法)および取適法、あるいは関連ガイドラインでは、荷主がドライバーに運転以外の作業をさせる場合には、適切な対価を支払うことが求められている。また「標準的な運賃」では、30分を超える荷待ちについて荷待ち料金を設定している。