「世界シェア7割の牙城」に中国企業が揺さぶりか? ヘッドライトは“光学部品”から“知能プラットフォーム”へ、日欧優位を崩す構造転換の行方とは
中国の通信大手ファーウェイが、自動車の重要保安部品であるヘッドライトを起点に車載体験の再定義を加速している。日欧が世界シェア約7割を握るなか、ソフトとAIを軸に“光の情報化”を武器にする新勢力が、産業構造の主導権を揺さぶり始めた。
安全を守る日本の規制と価値を盛る中国の攻勢

日本国内では、2006年以降に送り出された新車を対象に、光の強いヘッドライトを載せた車へ光の向きを自動で正す機能の搭載を求めてきた。具体的には、2000lmを超える明るいライトを備える車がその対象だった。
だが、ライトの眩しさで周囲に気づくのが遅れ、事故につながった事例は2012年から2021年の間で300件を超えている。こうした事態を重く見て、基準を改める合意がなされた。これを受け国土交通省はルールを変更。2024年9月22日からは、明るさを問わず全ての車に光の向きを自動で整える仕組みを組み込むことが義務となった。
この動きからは、日本市場が安全性の向上という、負の側面を消し去ることに力を注ぐ姿勢がうかがえる。その一方で、ファーウェイが進める娯楽機能の拡充は、新しい価値を積み上げる方向を向いている。日本のメーカーが規則への対応にともなう費用の膨らみに追われている間に、中国勢は機能の充実によって高い価格を納得させる力を蓄えているようだ。
ルールの変化に合わせる力が競争の行方を決めるなか、安全を守るという守りの姿勢と、新しい体験を作るという攻めの姿勢。この差が、将来のブランド力に大きな隔たりを生むことになるのかもしれない。