「手取りが減っても、辞められません」 6割のドライバーが直面する、「荷待ち改善」「収入減」が同時に進む物流現場の矛盾

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荷待ちは減ったのに、収入は増えない――。1516人調査で見えたのは、6割が賃上げ実感なし、なお6割が継続希望という現実だ。効率化が進むほど実入りが細る現場で、いま問われるのは利益の分け方である。

収入停滞と継続意向

物流トラック(画像:写真AC)
物流トラック(画像:写真AC)

 2026年3月、物流DXを手がけるHacobu(東京都港区)は、全国のトラックドライバー1516人を対象に実態調査を行った。自社アプリの登録者を中心に行われたインターネット調査の結果(2026年4月15日発表)は、今の輸送現場が抱える重い課題を浮き彫りにしている。

 数字を追うと、6割以上が「賃金が上がった実感がない」と答える一方で、やはり6割を超える人が今後も「ドライバーを続けたい」と望んでいる。現場の環境についても、荷待ち時間が「やや短くなった(42.5%)」あるいは「大幅に短くなった(12.8%)」と半数以上が改善を認めた。しかし一方で、肝心の収入は「変わらない」が44%、「少し下がった」が15.2%、「下がった」が6.5%にのぼり、合わせて6割強のドライバーが実入りの伸び悩みや減少に直面している。

 業務の効率化は進んでいるはずなのに、現場の暮らしはむしろ厳しくなっている。この相反する事態が同時に起きている点に、今回の調査の核心があるだろう。

 働く環境が整えば整うほど手元に残る金が減っていく状況は、これまでの現場改善のなかで後回しにされてきた

「報酬の配分」

という問題が、いよいよ無視できない段階に来たことを示している。改善による成果が実は働き手の生活を削ることで成り立っている皮肉な現状を、私たちは直視しなければならない。

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