「ロマンスカーとは別採用です」 新入社員わずか7人――なぜ巨大鉄道グループは“小さな組織単位”を残すのか?
箱根ロープウェイで音響体験と気象予測の高度化を進める小田急箱根は、2023年度186億円規模の事業を背景に、小田急連結3952億円の中で比率は小さいながらも存在感を高めつつある。箱根事業の収益構造と再編後の企業像が、グループ戦略の中で改めて注目されている。
20年の統治変遷整理

このやや特殊な統治の形も、開始からおよそ20年を経て見直されることになった。2024年4月1日に発足した小田急箱根は、事業会社である箱根登山鉄道(新)を存続会社とし、中間持株会社である小田急箱根ホールディングスを吸収合併する形で生まれたものである。
あわせて箱根観光船なども統合され、鉄道、索道、観光船といった箱根地域の交通事業を担う会社群は、小田急電鉄の直下に置かれる形となった。この過程で、長く使われてきた箱根登山鉄道の社名は姿を消した。
小田急箱根という耳なじみの薄い社名に違和感を覚える背景には、こうした20年にわたる体制の変化が積み重なっている事情がある。
上場廃止から20年以上が過ぎ、中間持株会社もなくなったことで、同社の事業規模は外からは見えにくくなっている。
小田急箱根の公式ウェブサイトでは、損益計算書などの詳細な決算資料は公開されていない。一方、新卒採用サイトによると、小田急箱根、箱根登山バス、箱根プレザントサービスの3社合計の年間売上高は186億3500万円とされている。ただしこの数字は小田急箱根発足前の2023年度時点のものであり、当時の3社体制を前提としたものとみられる。
また採用関連の情報では、小田急箱根単体の売上として2024年度で100億円という数字も示されている。
なお、小田急電鉄の連結決算には100%子会社である小田急箱根の売上も含まれているが、小田急箱根単体を切り出した詳細な数値は公表されていない。