「ロマンスカーとは別採用です」 新入社員わずか7人――なぜ巨大鉄道グループは“小さな組織単位”を残すのか?

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箱根ロープウェイで音響体験と気象予測の高度化を進める小田急箱根は、2023年度186億円規模の事業を背景に、小田急連結3952億円の中で比率は小さいながらも存在感を高めつつある。箱根事業の収益構造と再編後の企業像が、グループ戦略の中で改めて注目されている。

箱根事業再編の経緯

立体音響ゴンドラのイメージ(画像:小田急箱根)
立体音響ゴンドラのイメージ(画像:小田急箱根)

 これらの報道発表で目を引くのは、発信主体である小田急箱根という、やや耳慣れない企業名である。

 同社は2024年4月1日、小田急グループ内の企業整理を経て、

・小田急箱根ホールディングス
・箱根登山鉄道
・箱根観光船
・箱根施設開発

の4社をまとめ、箱根登山鉄道を存続会社として社名を小田急箱根へと改めたものである。

 小田急箱根自体の歴史はまだ浅く設立から2年ほどだが、その前身である箱根登山鉄道は1888(明治21)年設立の小田原馬車鉄道までさかのぼる。箱根登山鉄道の鉄道線は、難工事を経て1919(大正8)年に箱根湯本~強羅間で開業し、その後およそ100年にわたり箱根登山鉄道、箱根登山電車として広く知られてきた。

 戦後は小田急グループの傘下に入りつつも、長く上場企業としても存続していたが、2003(平成15)年8月に小田急との株式交換により上場を廃止し、小田急の完全子会社となった。その後、同年9月には旧・箱根登山鉄道が中間持ち株会社「小田急箱根ホールディングス」へと社名を変え、その下に事業会社として新たな箱根登山鉄道を置く形となった。これにより、長く続いた箱根登山鉄道の社名は別の法人として残ることになった。

 親会社の小田急電鉄は現在も持株会社を置かない体制を維持しているが、箱根登山鉄道関連については中間持ち株会社を挟み、孫会社化する形を取るという、やや独特な体制となっている。

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