「LCCと勘違いされるのは心外」 北九州を拠点に20年、漆黒の機体で存在感を築いた航空会社――ANAとの関係下で進む収益構造の再設計
就航20年のスターフライヤーが、北九州~台北線の再開や新会社設立、会計システム刷新など三本柱を発表。ANA出資14.3%の下でLCCと距離を取りつつ「黒の高品質路線」を維持し、航空外事業へ活路を探る。
教育事業への進出

一方、経営が厳しい時期も一貫して続けてきた高級感や黒を基調としたブランディングは、4月1日に設立した100%子会社「スターフライヤーブランディングビジネス」を通じて広がる可能性がある。
同社の事業内容は、企業や団体、個人を対象にした組織風土の改善や経営支援、人材育成、能力開発に関する教育や研修、セミナー、相談業務などである。また、組織づくりや人事制度づくり、チームづくりに関する調査、企画、立案、運営支援も行う。さらに、各種セミナーや講演会、催し、学びの場の企画や運営、実施も担うとしている。社長に就いた徳田康子氏は、旅行会社から同社に移り、人材育成全般の責任者を務めてきた人物である。
ANAやJALでは、客室乗務員による接客の質の高さを教育や研修の形で事業として展開してきた。ANAは教育・研修事業を行う子会社ANAビジネスソリューションを設け、JALは社内で同様の事業を行っている。また、ANAやJALのブランド力に注目する企業や自治体は多く、共同企画や商品開発などの需要も広がっている。
今回スターフライヤーが立ち上げた新会社は、教育や研修を事業として扱ってきたANAやJALの動きに続くものといえる。ただし、この分野はANAやJALに近い水準のサービスを持ち、一定のブランド力を築いた航空会社でなければ展開が難しい領域でもある。
LCCとは距離を置いてきたスターフライヤーが今後力を入れる余地は、航空以外の事業にあるのかもしれない。