「LCCと勘違いされるのは心外」 北九州を拠点に20年、漆黒の機体で存在感を築いた航空会社――ANAとの関係下で進む収益構造の再設計
就航20年のスターフライヤーが、北九州~台北線の再開や新会社設立、会計システム刷新など三本柱を発表。ANA出資14.3%の下でLCCと距離を取りつつ「黒の高品質路線」を維持し、航空外事業へ活路を探る。
経営の浮き沈み

他のLCCとは距離を置く独自路線で存在感を示してきたスターフライヤーだが、就航から20年の間、常に安定していたわけではない。
2009(平成21)年には創業者が経営の不調を理由に社長を退き、2014年にも同様に業績の悪化を背景として社長交代が行われた。業績が伸び悩んだ理由はひとつではないが、高い質を前面に出す戦略だけでは差を広げにくく、価格で競うLCCや、資本力で優位に立つJALやANAに対抗しきれなかったと見る向きが多い。
その後の立て直しではANAの関与が強まり、2025年3月31日時点でANAホールディングスが14.3%を保有する筆頭株主となっている。スターフライヤーは東証スタンダード市場に上場する企業ではあるが、ANAの影響力は大きく、コードシェア便の運航などを通じて事業を支えられている面がある。一方で、その影響により独自の動きに一定の制約があるとの見方もある。
9月から運航を再開する北九州~台北(桃園)線が深夜から未明の時間帯に設定されているのは、北九州空港が海上空港であり発着時間の制約が少ないという条件を生かした結果でもある。ただし、日中帯に運航するANAの福岡~台北(桃園)線との競合を避けた調整の結果と見ることもできる。