「LCCと勘違いされるのは心外」 北九州を拠点に20年、漆黒の機体で存在感を築いた航空会社――ANAとの関係下で進む収益構造の再設計
就航20年のスターフライヤーが、北九州~台北線の再開や新会社設立、会計システム刷新など三本柱を発表。ANA出資14.3%の下でLCCと距離を取りつつ「黒の高品質路線」を維持し、航空外事業へ活路を探る。
LCCと異なる位置づけ

スターフライヤーは新興の航空会社であることから、一般には格安航空会社(LCC)と受け止められることが多い。しかし同社の町田修社長は投資家向け説明会などで、
「LCCと勘違いされることは非常に残念で、社長としても忸怩たる思いがある」
と述べている。そのうえで、大手のANAやJALに近い水準のサービスを提供しているとして、「LCCではない」と明言している。
例えば、航空券予約サイト「エアトリ」(運営会社はスターフライヤーの大株主の一社)で、2026年4月11日時点に4月16日出発の北九州~羽田間の片道航空券を検索すると、最安値はスターフライヤーが2万6050円から、次いでANAが2万6680円から、JALが2万9150円からという結果だった。
航空券の価格は、季節や早期割引、変更条件、株主優待の有無などで大きく変わるため、この結果は一例にすぎない。それでも価格水準を見る限り、スターフライヤーは格安航空会社とはいいがたい。
筆者(銀河鉄道世代、フリーライター)はこれまでに数回スターフライヤー便を利用したことがあるが、機内は黒の革張りシートなどが採用され、落ち着いた印象が強い。LCCとは明らかに異なる雰囲気である。
同社は創業以来、機体や客室内装、制服、備品、公式サイトに至るまで黒を基調とした表現を徹底しており、「黒のスターフライヤー」という印象づけに成功しているように見える。
地方空港を拠点とし、特定路線に力を入れている点ではソラシドエアやAIRDOに近い面もある。ただし、ソラシドエアやAIRDOは高級感を前面に出しているわけではなく、基本的にはLCCに近い位置づけと見なされている。