成田空港用地「強制収用」を検討! 「流血の記憶」か、「アジアの競争力」か? 89.7%で止まる拡張計画、その先にある判断とは
成田空港は発着50万回体制を目前に、用地確保89.7%という壁に直面する。残るわずか10.3%が全体を止め、全面供用は1年以上遅れる見通しだ。強制取得か対話継続か――過去511件の対立の記憶を背に、日本の国際競争力を左右する判断が迫られている。
用地確保の転機

2026年4月、成田国際空港(NAA)は、まさに「第2の開港」とも呼ぶべき正念場に立たされている。NAAの藤井直樹社長は、金子恭之国土交通相に対し、新たな滑走路の整備に欠かせない用地を確保するため、土地収用法に基づく強制取得の検討に入ると伝えた。
この一歩は、日本のインフラ政策が大きな転換点を迎えたことを物語る。アジア各国の主要空港が猛烈な勢いで存在感を高めるなか、2029年3月の供用開始がもし遅れるようなことがあれば、世界の交通網における日本の立ち位置は危うくなるだろう。
これまで長く続いた停滞を断ち切り、これ以上の国益の毀損を食い止める。法に則った手段の検討を公表したことは、もはや猶予がないという切実な経営判断の表れといえる。