奄美群島に「幻の航空会社」が存在した? 2013年に生まれた低運賃の熱気、1500人が関わった計画はなぜ空へ届かなかったのか
奄美群島では2016年、地方創生型LCC「エア奄美」構想が動き出した。低運賃と群島内外の航空網拡大を掲げたが、資金難で2018年に解散。運賃格差や島間移動の課題は今も残る。
LCC参入と奄美航空市場の変化

エア奄美構想が動き出した2010年代は、奄美群島へのLCCの関心が高まり始めた時期でもあった。
もともと奄美大島にはJALグループの便が羽田、伊丹、福岡、鹿児島などから就航していたが、運賃は高めで、初めて訪れる旅行者にとっては利用の負担が大きい路線だった。
そうしたなか、2013(平成25)年12月にANA系LCCのバニラエアが成田~奄美大島線を開設した。
それまで高額だった航空運賃が、片道1万円台で利用できる水準となったことで注目を集めた。
この路線は急速に利用者を増やし、関西国際空港線(2017年就航)も含めて、5年間で約75万人の利用実績となった。
これにより奄美大島にもたらされた経済効果は年間42億円にのぼり、「バニラエア効果」と呼ばれるようになった。
その後、バニラエアはピーチと経営統合されたが、奄美大島への路線はピーチに引き継がれている。