営業赤字3億円超でも「観光列車」で奮闘……群馬の第三セクター鉄道、運転士2割減で続く苦境を乗り越えられるか

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運転士14人から11人へと21%減少したわたらせ渓谷鐵道が、2026年3月から早朝・夜間2往復を運休。営業赤字は3億4922万円に達し、最低賃金水準の見習い制度の中で人材確保と路線維持の両立が揺れている。

運転士不足が招く早朝・夜間減便

わたらせ渓谷鐡道の列車(画像:写真AC)
わたらせ渓谷鐡道の列車(画像:写真AC)

 群馬県桐生市の桐生駅と栃木県日光市の間藤駅を結ぶ全長44.4kmの第三セクター鉄道・わたらせ渓谷鐵道は、2026年3月20日から当面の間、運転士不足を理由に早朝と夜間の2往復を運休している。

 対象となる列車はもともと利用者が少ない時間帯を走っており、利用者への影響は大きくないとみられる。ただ、運休の発表は3月6日と直前であり、さらに期間が「当面の間」とされている点からは、現場の厳しさがうかがえる。

 一部報道によれば、同社の運転士は2025年4月時点で14人だった。その後、退職などにより減少し、2026年3月末には

「11人」(21%減)

になる見通しで、今回の運休判断につながったとしている。退職の具体的な理由は明らかにされていない。

 やや古いデータではあるが、2025年7月2日に開かれた第6回わたらせ渓谷鐵道沿線地域交通リ・デザイン推進協議会の資料によると、2012(平成24)年度時点の運転士は20歳代4人、30歳代4人、40歳代6人、50歳代0人の計14人だった。その10年後の2022年時点では、

・20歳代:4人(31%)
・30歳代:3人(23%)
・40歳代:4人(31%)
・50歳代:2人(15%)

の計13人となっている。

 この推移を見る限り、10年間で年齢構成はやや上に移っているものの、特定の年代に偏りが強いわけではない。2026年3月末にかけて定年退職によるまとまった人員減が起きたと見るのは難しい状況だ。

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