営業赤字3億円超でも「観光列車」で奮闘……群馬の第三セクター鉄道、運転士2割減で続く苦境を乗り越えられるか
運転士14人から11人へと21%減少したわたらせ渓谷鐵道が、2026年3月から早朝・夜間2往復を運休。営業赤字は3億4922万円に達し、最低賃金水準の見習い制度の中で人材確保と路線維持の両立が揺れている。
現業部門にも広がる人手不足

不足しているのは運転士だけではない。鉄道施設や車両の整備などを担う現業部門でも人手不足が目立っており、同社は公式サイトで工務課や車両課の職員も募集している。
応募条件は45歳以下で、月給は
「19万4000円以上」
としている。試用期間は時給制で、昇給は年1回、賞与は年2回となっている。数字だけ見れば、運転士よりも低い水準だ。
実際、わたらせ渓谷鉄道の運行を支えているのは職員だけではない。同社は2009(平成21)年から、無人駅で清掃や観光案内を行うボランティアスタッフ「ふるさと駅長」を募集しており、現在は7駅に配置されている。
さらに2006年には、同鉄道を支える目的でわたらせ渓谷鐵道市民協議会が発足した。参加する団体や個人は、駅や周辺の清掃、花や木の植え付けと保護、沿線の草刈り、景観を損ねる樹木や竹の伐採などを行っている。直近では2026年3月14日に、観光列車「トロッコわたらせ渓谷号」の清掃活動も行われた。
こうした取り組みは運営の助けになっている一方で、対応できる作業には限りがある。本来、公共性の高い第三セクターとはいえ、地域住民や鉄道ファンの支えに頼りすぎることには、受け止め方がわかれる面もある。