営業赤字3億円超でも「観光列車」で奮闘……群馬の第三セクター鉄道、運転士2割減で続く苦境を乗り越えられるか

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運転士14人から11人へと21%減少したわたらせ渓谷鐵道が、2026年3月から早朝・夜間2往復を運休。営業赤字は3億4922万円に達し、最低賃金水準の見習い制度の中で人材確保と路線維持の両立が揺れている。

見習い賃金と採用条件

運転士イメージ(画像:写真AC)
運転士イメージ(画像:写真AC)

 では、運転士の退職の背景に、賃金や働く環境の問題はあるのだろうか。

 同社は現在、公式サイトで職員の募集要項を公開している。すでに運転士資格や経験を持つ人材については、他社からの引き抜きも含まれるため、一般募集とは別の扱いと考えられ、サイト上には掲載されていない。

 一方で、列車運転士見習いについては、臨時雇用として募集が出ており、免許取得後に正社員へ登用される仕組みとなっている。応募条件は40歳以下で、時給は1070円、正社員登用後は

「月給21万2000円以上」

としている。昇給は年1回、賞与は年2回とされている。群馬県労働局によると、同県の最低賃金は2026年3月1日時点で1063円となっており、見習い期間の時給はほぼこれに近い水準だ。

 また、国土交通省の鉄道統計年報(2023年度)によれば、同社の職員数は40人で、そのうち運転士は15人となっている。職種別の平均給与は公表されていないが、全職員の平均給与は

「月29万1532円(基準賃金に加え、各種手当や賞与を含む)」

だ。参考として、群馬県内の私鉄では、上毛電気鉄道が20万9527円、上信電鉄が27万5666円となっている。これらは雇用形態や勤務区分の違いがあるため単純比較はできないが、わたらせ渓谷鐵道の水準が特別に低いとはいい切れない。

 とはいえ、不規則な勤務や人命を預かる業務の重さを踏まえると、待遇として高い水準とはいいにくい面も残る。

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