「中国製EV」が覆した日本車中古神話! 「アフリカ新興国」で何が起きているのか? 50万台普及で明らかになった日本企業の戦略的課題
年45億ドル超の燃料負担と外貨不足に直面したエチオピアは、内燃機関車の輸入を止め電動化へ急転換した。EVは2年で10万台規模に拡大する一方、充電拠点は約50か所にとどまる。政策主導で進む市場の裏側で、基盤整備の遅れが成否を左右している。
運用体制が決める成否

エチオピアの事例は、再生可能エネルギーが豊富で外貨が大きく不足する新興国が、これまでの産業の流れを飛び越えて電動化へ進む現実的な形を示した。年45億ドルを超える燃料代を払い続ける国にとって、使うエネルギーを輸入の石油から国内の電力へ切り替える考えは、収支の面でも筋が通る。給油所や燃料の運搬網を広げるのではなく、電気を軸とした移動へ一気に移る。この点が各国の関心を集めている。
一方で、政策がうまく進むかは、走る車の数だけでは決まらない。重要なのは、その裏側にある
「保守と管理の体制をどれだけ早く整えられるか」
にある。充電器や配電設備、交換部品、不具合を見つける機器、修理を担う人材、管理のための方法がそろわなければ、輸入禁止は新たな市場を生むどころか、利用者の負担を先に延ばすだけに終わる。
車だけを増やしても、修理ができず、部品も届かず、電気も安定しない状態では、そのEVは価値を保てず、動かなくなる恐れのある機械にとどまる。
また、数年後に車を売る際の中古価格が見通せないことも大きな不安材料だ。電池の劣化を客観的に見極める方法がなければ、中古市場は機能せず、買い替えの流れが止まる。さらに、自宅で充電できる層と公共の設備に頼る層との間で、移動の確実さに差が出ることも避けられない。車を広げるのと同じ重みで、それを支える基盤の整備が急がれている。