「中国製EV」が覆した日本車中古神話! 「アフリカ新興国」で何が起きているのか? 50万台普及で明らかになった日本企業の戦略的課題
年45億ドル超の燃料負担と外貨不足に直面したエチオピアは、内燃機関車の輸入を止め電動化へ急転換した。EVは2年で10万台規模に拡大する一方、充電拠点は約50か所にとどまる。政策主導で進む市場の裏側で、基盤整備の遅れが成否を左右している。
基盤整備の遅れが生む混乱

車の導入と運用を支える基盤の整備は、足並みがそろっていない。2024年時点で、充電拠点は約50か所にとどまると報じられた。EVが7万台規模に達していた時期としては、明らかに足りない数だ。拠点が首都などの都市に偏れば、地方での利用は見込みにくい。発電量が増えても、必要な場所で安定して電気を使えなければ、交通手段としては不十分だ。
ここで示されているのは、段階を飛び越える進め方である。すべての国がガソリンスタンドや製油所、燃料の運搬網、整備工場を長い時間をかけて整える必要はない。再生可能エネルギーが豊富なら、それらを経ずに電気中心へ移る。石油に関わる基盤を広げるより、自国の電気と充電拠点に資金を向ける方が理にかなうという考えだ。政府にとっては、外貨を守り自給を高める手立てでもある。
だが現場は厳しい。充電設備が故障や停電で使えない例が目立つ。さらに深刻なのは、修理を担う人手の不足だ。輸入車種が増えたことで、手引書が中国語のままだったり、部品が届かなかったりする。これまで経験で直せた車も、高度な制御や高電圧電池の不具合には、既存の町工場では対応が難しい。燃料輸入の負担は減っても、その代わりに現場では車が動かなくなる不確実さが増えている。
政府は対策として、主な道路沿いに50kmから120kmごとに充電設備を整える方針を示すが、車の増え方に追いついていない。その結果、充電待ちや修理不能、部品不足が日常の移動に支障を生む。車が止まれば仕事も物流も滞る。成否を分けるのは、故障してもすぐ直し、動かし続けられる体制をどれだけ早く整えられるかにあるのだ。