「駅まで歩くの、やめました」 通勤利用が45%に達した「電動キックボード」たち! 住宅街の「最後の数百メートル」で起きている異変とは

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通勤45.1%、商業地の仕事利用21.0%。調査が示したのは、電動キックボードが遊びではなく、すでに働く人の移動手段として使われ始めている現実だ。鉄道と徒歩の隙間を埋める「最後の数百メートル」は、街の経済や交通の形を変える可能性を帯び始めている。

ラスト数百メートル移動の実態

電動キックボード(画像:写真AC)
電動キックボード(画像:写真AC)

 街の交通で長く置き去りにされてきた「最後の数百メートル」の移動を、特定小型原動機付自転車(特定小型原付)が担い始めている。パシフィックコンサルタンツ(東京都千代田区)とLuup(品川区)の調査は、その実情を数字で示した。

 住宅地である世田谷区の下北沢や三軒茶屋、学芸大学周辺で、平日の利用内訳を見ると、通勤が45.1%で最も多い。私事は38.5%、仕事での移動が7.8%、その他が8.2%、通学は0.4%だった。世田谷区に住む人の一般的な平日の動きは、私事が41.8%、通勤が41.0%、通学が10.8%、仕事が6.4%とされる。これと比べると、LUUPは通勤との結びつきがやや強いことがわかる。休日になると私事が91.0%に跳ね上がり、仕事での利用は見られなくなる。

 商業地である恵比寿駅周辺でも、働く場面での利用が目立つ。平日の内訳は私事が43.0%、通勤が22.0%、仕事での移動が21.0%、その他が13.3%、通学が0.7%だ。このエリアを訪れる人の一般的な動きは、通勤が50.5%、私事が26.6%、仕事が13.9%、通学が8.9%とされる。こうした数字と照らすと、LUUPは仕事の用事で使われる割合が高い。休日は私事が83.6%を占め、仕事での利用は1.6%まで下がる。

 数字から浮かぶのは、電動キックボードが遊びの道具という枠を越え、日々の経済活動に入り込みつつある姿だ。クルマ中心の移動では、ひとりを運ぶために大きな空間を占め、その時間の多くが駐車に費やされてきた。特定小型原付は、街の限られた空間をより細かく使う移動手段である。移動の手間を少しでも減らしたいという個人の自然な選択が、利用の広がりとして表れている。

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