「37年間ありがとうございました」 横浜駅西口のランドマークが9月閉館へ―― 都心直通の“逆説”が示す、街の未来とは?
横浜駅西口の象徴、相鉄ムービルが37年の歴史に幕を下ろす。相鉄グループは不動産・流通・ホテル事業を主軸に成長し、1日乗降客31万人のターミナルを保有。2040年代まで続く西口大改造構想で跡地開発が検討される。
横浜一極集中から東京都心直通

横浜駅前を繁華街として成長させ、沿線のベッドタウンから乗客を横浜駅に運ぶことを軸に発展してきた相鉄グループは、長らく神奈川県内でほぼ完結する鉄道会社グループであった。しかし21世紀に入り、転機を迎える。
2000(平成12)年の運輸政策審議会答申第18号に基づき、鉄道建設・運輸施設整備支援機構が鉄道施設を建設・保有し、相模鉄道と東急電鉄が営業を行う「神奈川東部方面線」の計画が始まった。この計画は、2019年11月に相鉄・JR直通線として、2023年3月に相鉄新横浜線・東急新横浜線として開業した。両路線は相鉄本線の西谷駅から分岐し、JR線や東急東横線を経由して東京都心方面に乗り入れる路線である。
相鉄グループは当初、東京都心方面への乗り入れに消極的であった。長年育ててきたターミナルである横浜が経由されないことを懸念したためである。しかし、首都圏であっても少子高齢化で通勤・通学需要の中長期的な減少が見込まれるなか、選ばれる沿線であり続けるには、神奈川県内だけの路線では限界があり、東京都心方面への直結は必要と判断した。
両路線の開業により、西谷駅の上り方面は横浜一択から、相鉄・JR直通線を経由してJR埼京線・川越線方面、相鉄新横浜線・東急新横浜線を経由して東急東横線・東京メトロ副都心線・東武東上線方面、さらに東急目黒線・都営三田線・東京メトロ南北線・埼玉高速鉄道線方面まで選択肢が広がった。行き先や系統が複雑に増えたうえ、特急・急行・各停など列車種別も多く、西谷駅は短期間で混雑が増す状況に変化した。