「鉄道部門は5000万円超の赤字」――かつて東証二部上場の西武系私鉄、100周年で利用増も続く単体赤字と夜間24分間隔への見直しの行方

キーワード :
, ,
開業100周年の大雄山線。鉄道営業収益13億円、赤字5167万円と改善は道半ばだ。連結では営業利益4億円超を確保する一方、減便と運賃改定でコストを抑える構図が鮮明になっている。地域鉄道の持続力が問われている。

二路線体制と事業多角化の歩み

大雄山線の終点・大雄山駅(画像:菅原康晴)
大雄山線の終点・大雄山駅(画像:菅原康晴)

 伊豆箱根鉄道は、静岡県で三島~修善寺間19.8kmを結ぶ駿豆線と、神奈川県で小田原~大雄山間9.6kmを結ぶ大雄山線の2路線を運営するほか、バス、タクシー、レジャー・不動産事業を展開する地域企業である。両路線はもともと別会社として発足したが、いずれも戦前に箱根土地(現西武グループ)の傘下に入り合併した。1961(昭和36)年から2004(平成16)年までは東証二部に上場していた。

 駿豆線は沿線に伊豆長岡温泉や修善寺温泉を抱え、国鉄時代から直通特急が乗り入れてきたこともあり、観光路線としての色合いが強い。一方の大雄山線は、大雄山最乗寺への参詣路線として開業した経緯を持つが、沿線には工場が多く、日常の移動を支える路線としての性格が濃い。

 半期報告書によると、当中間期の連結営業収益は52億7038万円、営業利益は4億1631万円だった。鉄道事業は営業損失を計上しているが、バス、タクシー、レジャー・不動産の各事業が補い、連結では黒字を確保している。

 有価証券報告書によれば、2025年3月期の通期連結営業収益は102億1042万円、営業利益は5億1310万円となった。2021年3月期から2023年3月期まではコロナ禍の影響で赤字が続いたが、2024年3月期以降は黒字に転じている。足元でも黒字基調は維持しているものの、鉄道の赤字を他事業で補う収益構造は変わっていない。

全てのコメントを見る