ハイブリッド車vsバッテリー式EV――結局、長く乗るならどちらが得なのか? 燃料・修理・下取りで合理性を検証、ホンダ方針転換で再考する
2025年の国内乗用車市場でEVはわずか1.6%にとどまり、HVが約153万台と圧倒的多数を占めた。巨額赤字覚悟でEV戦略を修正したホンダの判断は、補助金頼みのBEVが抱えるリスクの現実を示す。購入時の価格差や燃料費、充電環境、中古価値を踏まえ、個々のライフスタイルに応じた賢い選択の重要性が浮かび上がる。
補助金による価格調整

車両価格を比べると、bZ4Xが480万円、プリウスが約325万円。155万円の開きがある。この大きな差をどう埋めるかが、賢い買い物の出発点になるだろう。
まず目を引くのが、国が進めるBEVへの手厚い助成だ。2026年1月以降に登録される普通車であれば、CEV補助金として最大130万円が戻ってくる。東京都のように独自の支援を行う自治体なら、さらに60万円が上積みされる仕組みだ。ちなみにHVには補助はないが、PHVであれば85万円を上限に、国からの支えが得られる。
補助金をフルに活用すれば、bZ4Xは実質350万円で手に入る。プリウスとの差は25万円にまで縮まり、この程度の金額なら維持費などで十分に取り戻せる範囲に見えてくる。さらに東京都民であれば、ZEV補助金のおかげで実質305万円となり、プリウスよりも20万円ほど安く買える計算だ。これほど初期費用が抑えられるなら、BEVを前向きに考える人が増えるのは自然な流れといえる。
しかし、補助金による見かけ上の安さは、車本来の価値を見えにくくする恐れがある。BEVを買うことは、メーカーの技術だけでなく、国や自治体の財布を頼りにしている側面が強い。制度は時の政策で変わるものであり、ずっと続く保証はない。予算や決まりが変われば、その価値は根底から揺らいでしまう。
国内でBEVが思うように売れていないのは、こうした不透明さが影響しているのだろう。将来、補助金が減ったりなくなったりしたときに、中古車としての価値が急落する恐れがある。この先行きの見えない不安こそが、多くの人が購入に踏み切れない大きな理由になっている。