「新車はもう買えません」 地方路線の8割が“お下がり”という現実――2030年に迫る「超・長寿バス」の臨界点
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全国の路線バスの60~70%は中古車、車齢25年以上が約4割を占める。都市から地方へと車両が流れるなか、整備データの共有やEV改修をどう広げるか。新車偏重の支援策を問い直す時が来ている。
5年後、10年後の姿

ここまで述べてきた提案が形になれば、5年後には整備データの共有が当たり前になっているかもしれない。中古バスであっても「いつ、どこを直したのか」が見えるようになり、安全性と資産価値を同時に高めることができる。そうした環境は、決して絵空事ではない。
10年後を思い描くと、古い車両をEVへ改修する取り組みが広く根づいている可能性もある。バス産業は「作って売る」発想から、「直しながら進化させる」循環型へと軸足を移す。年式の古さだけで良し悪しを測るのではなく、どのような手入れが施され、どのように情報が引き継がれてきたのかが評価の中心になる。
地域の足を守る基準も、そこに置かれていくはずだ。
こうした流れは事業者だけでは進まない。国土交通省や地方自治体が支え、ともに歩むことが前提になる。その先に持続可能なバス事業の姿があると筆者は考えるが、読者の皆さんはどう受け止めるだろうか――。