「新車はもう買えません」 地方路線の8割が“お下がり”という現実――2030年に迫る「超・長寿バス」の臨界点
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全国の路線バスの60~70%は中古車、車齢25年以上が約4割を占める。都市から地方へと車両が流れるなか、整備データの共有やEV改修をどう広げるか。新車偏重の支援策を問い直す時が来ている。
妥当性の根拠

日本のバスは高い耐久性を持つ。部品を適切に交換し、定期的に手入れを続ければ、25~30年以上の運用に耐えうる力があることは、現場の実績が示してきた。年式を重ねても走り続けられる土台がある。
古いディーゼルバスを電気バス(EV)へ改修した場合、CO2排出量を年間53%削減できるという西鉄などの先行例も出ている。筆者が慎重に見積もっても、従来型と比べて年間48%の削減は可能と判断する。おおむね5割前後の削減が視野に入る計算だ。
電動化に向けた改修用シャーシを共通化し、地域ごとに担い手を育てていけば、地方でも比較的低い負担で排出削減に取り組める。低床車をベースにすれば、バリアフリー対応と環境対応を同時に進めることもできる。にもかかわらず、こうした取り組みを後押しする公的支援は十分とはいい難い。検討の余地があるだろう。
いまも30~40%の車両は、大きな改装をせずに走っている。整備の知恵を分かち合えば、故障は減り、結果として直接の費用も下がるはずだ。前に触れたとおり、中古車の故障低減や整備情報の集積と共有は避けて通れない。車両そのものだけでなく、その扱い方まで含めて生かす視点が求められている。