国際航路はコロナ禍で大打撃も 下関~釜山の「関釜フェリー」は毎日1便運航しているワケ
新型コロナウイルスの感染拡大で、海外旅行はほぼ不可能な状態になった。一方で、日本と海外を結ぶ航路はいくつか存在。中でも関釜フェリーは従来と変わらず、貨物輸送を行っている。
両国の政治・経済の関係性

こうしてみると、新型コロナウイルスの感染拡大の影響は明らかだが、一方で2018年頃からの日韓関係悪化の影響はほとんどなかったことが分かる。
筆者は2018年、2019年と関釜フェリーを利用したが、2018年の船内を埋め尽くすほどの韓国からの観光客は2019年にになるとほとんど見られず、関係悪化の深刻さを感じた。それでも、経済関係にはあまり影響を及ぼしていなかったことが分かる。
韓国への輸出・輸入品目は多彩だ。同じく下関港統計年報2020年確報値によると、品目は次のとおりだ。
●輸出
・完成自動車:13万8370t(全体構成比28.4%)
・電気機械:7万8476t(全体構成比16.1%)
・産業機械:7万266t(全体構成比14.4%)
●輸入
・その他石油:33万5210t(全体構成比28.5%)
・その他輸送機械:27万5842t(全体構成比28.4%)
・完成自動車:19万8030t(全体構成比16.8%)
自動車やコンテナで輸送が困難な大型機械類を運ぶルートとして、関釜フェリーの需要は大きい。しかも、コロナ禍でも半導体製造装置の輸出が好調だったことから、2021年上半期には関釜フェリー単体の取り扱い荷物量は増加し、より好調になっている。
これまで、どちらかというと時間に余裕のある人たちが利用するイメージのあった関釜フェリーだが、コロナ禍でその真価が改めて認識されているようだ。