JR西日本「高機能カード」10月終了へ――iPhone登場前に“魔法”だった決済革命、20年後に幕引きの現実

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少子高齢化による人手不足で、公共交通の決済機維持コストが増大している。JR西日本のSMART ICOCAは2026年10月でクイックチャージを終了し、全国の地域ICカードの今後に注目が集まる。

交通系ICカードの地域展開

交通系ICカードの読み取り機器(画像:写真AC)
交通系ICカードの読み取り機器(画像:写真AC)

 2000年代の日本は、世界でも珍しいキャッシュレス乗車の先進国だった。2001(平成13)年のSuica導入を皮切りに、全国でFeliCa規格の交通系ICカードが次々に登場した。ここでいう全国とは、市区町村の交通事業者がそれぞれ独自にカードを開発したことを指す。

 現在のライドシェア事業の状況を見てもわかるように、日本では地域の交通事業者を無視して公共交通の近代化を進めることは難しい。そのため、2013年3月23日に全国の10銘柄が合流し「交通系ICカード全国相互利用サービス」を開始するまでは、Suicaを含む各カードは地域限定の存在に過ぎなかった。

 この時代、オンラインチャージはまだ一般的ではなかった。地域によっては、今もチャージ機を使ったカードが最も使われるキャッシュレス乗車手段だ。つまり、2000年代に導入された仕組みがほぼ変わっていない地域もあることになる。

 そのなかでSMART ICOCAは他の地域カードより明確に機能が優れていた。「クイックチャージ機能」を備えていた点だ。

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