「給油」はもはや“時間のムダ”なのか? 現場の7割が「EVを支持した理由」――人手不足時代の業務効率を考える
給油は本当に「必要な作業」なのか。CUBE-LINXの調査(298人)では、業務EV利用者の4割超が疲労軽減を実感し、負担の最大要因は給油作業だった。EV導入を環境論ではなく、2024年問題下の「時間設計」から再考する。
業務プロセス再評価の視点

本稿が示したのは、EVが万能な解決策だという結論ではない。EVを導入するか否かではなく、
「業務における時間の使い方をどう組み立て直すか」
という点である。車両選択はあくまで結果であり、その前提となる業務構築そのものが再検討の対象になっている。
これまで給油や待機、探索、騒音といった負荷は、現場の制約として受け入れられてきた。一定の業態や規模においては、それらを完全に排除することが難しいのも事実だ。しかし同時に、それらが
・本当に不可避なのか
・慣行として温存されているだけではないのか
を問い直す余地もある。放置すべき前提条件なのか、それとも見直し可能な損失なのか。経済的な視点で整理し直す段階に来ている。
EVは、その問いを可視化するひとつの契機にすぎない。すべての現場に適合するわけではなく、導入の可否や効果にはばらつきがある。それでも、時間を浪費する業務構造を温存したままでは、EVであれ従来車であれ、どの車両を選んでも2024年問題の制約を乗り越えることは難しい。
EVは目的ではなく手段である。同時に、時間の創出や負荷の再配分という観点において、業務プロセスの歪みを具体的に意識させる存在でもある。重要なのは技術そのものではなく、業務時間をどう捉え、どこに余地があり、どこに限界があるのかを見極めたうえで組み立て直す姿勢だ。その構築思想こそが、今後の現場運営を左右する。
最終的な判断は現場に委ねられる。給油を作業と見るのか、削減を検討すべき負荷と捉えるのか。EVを導入するのか、別の改善策を選ぶのか。そのひとつひとつの判断の積み重ねが、結果として競争力の差を生んでいくだろう。