「給油」はもはや“時間のムダ”なのか? 現場の7割が「EVを支持した理由」――人手不足時代の業務効率を考える
筆者への反対意見

EVは万能ではないという指摘も根強い。まず、車両価格の高さが挙げられる。EVは初期投資額が大きく、とくに中小事業者にとっては導入のハードルになりやすい。日々の資金繰りや更新計画を優先せざるを得ない事業者にとって、投資回収までの道筋が見えにくい点は看過できない。
充電インフラの整備にも課題がある。設備導入には時間と費用がかかり、短期間で効果を出しにくい。加えて、拠点の立地や電力容量の制約によっては、理論上想定される運用が現場では成立しないケースもある。導入しても、すぐに業務効率が改善するとは限らないという声は現実的だ。
業態との適合性も一様ではない。航続距離や積載量の制約から、EVが業務に合わないケースは存在する。
・突発的な配送変更
・長距離対応
が常態化している現場では、柔軟性を優先せざるを得ず、車両選択に慎重になるのは自然な判断である。すべての事業者に当てはまる解決策ではないという指摘は妥当だ。
運転者の負担についても評価はわかれる。疲労が変わらない、あるいは増えたと感じるドライバーも一定数いる。充電タイミングを常に意識する必要があることで、心理的な負担が増したという声も聞かれる。給油と比べて充電に時間がかかり、かえって業務の段取りが難しくなったという指摘もある。加えて、
・電力価格の上昇
・災害時の電力供給リスク
を懸念する見方も無視できない。燃料供給と異なり、電力は地域やインフラの影響を強く受ける。非常時に業務を継続できるのかという不安は、事業継続計画の観点から合理的な問題提起だ。
これらの論点はいずれも感情的な反発ではない。EVの意義そのものを否定するものでもない。むしろ、
・短期の業務継続
・中長期の構造転換
の間にあるギャップをどう埋めるか――という実務に根差した課題だろう。EV導入を議論するうえでは、こうした現場の制約を前提に、段階的な選択肢を検討する姿勢が求められる。