「給油」はもはや“時間のムダ”なのか? 現場の7割が「EVを支持した理由」――人手不足時代の業務効率を考える

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給油は本当に「必要な作業」なのか。CUBE-LINXの調査(298人)では、業務EV利用者の4割超が疲労軽減を実感し、負担の最大要因は給油作業だった。EV導入を環境論ではなく、2024年問題下の「時間設計」から再考する。

筆者の意見

「業務でEVを運転する人のEV利用実態と意識に関する調査」(画像:CUBE-LINX)
「業務でEVを運転する人のEV利用実態と意識に関する調査」(画像:CUBE-LINX)

 給油作業は、現代のモビリティ業務における代表的な“隠れコスト”だ。

・給油所への往復
・混雑待ち
・給油そのものの作業

は、いずれも付加価値を生まない。それにもかかわらず、ドライバーの拘束時間を確実に消費する。

 2024年問題により、時間外労働は制度的に制約された。限られた稼働時間のなかで、この非生産的な拘束時間は、最初に見直すべき対象となる。

 EV導入は、投資対効果の高い業務改善策でもある。調査では、40.6%が疲労やストレスの軽減を実感した。その理由として、「給油所に行く手間がなくなったから」「スムーズに加減速できるから」「排気ガスの臭いがしないから」といった要素が上位に並ぶ。これは快適性の向上にとどまらない。

 身体的負担の軽減は、欠勤や離職の抑制につながる。結果として、採用や教育にかかるコストの抑制効果も期待できる。EV化は環境対策として語られがちだが、人手不足が常態化する社会においては、

「労働力を安定的に確保する」

ための経営戦略として位置づけるべきだろう。

 一方で、課題は基礎充電環境の不足にある。EVの継続利用を望む人は73.8%となる一方、半数以上がバッテリー切れに不安を抱えている。このギャップは、充電インフラ整備を他人任せにしてきた結果といえる。

 職場や拠点での充電を前提とした運用構築が不可欠だ。ドライバーを充電スタンド探しから解放することは、業務全体の組み立てを見直すことにつながる。そこにこそ、モビリティ分野における実質的なデジタルトランスフォーメーション(DX)の出発点があるだろう。

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